『SQL実践入門』を読んだ

SQL実践入門 ──高速でわかりやすいクエリの書き方 WEB+DB PRESS plus

『SQL実践入門』は、サブタイトル「高速でわかりやすいクエリの書き方」にもあるように、SQLのパフォーマンス改善に焦点を当てた書籍。著者はSQL関係の書籍で定評のあるミック氏。

SQLのパフォーマンスチューニングは一朝一夕で身に付く技術ではない。RDBMSのアーキテクチャやSQLの基礎知識はもちろん必要だし、RDBMS製品に応じた実行計画の読み方やチューニングの勘所もある。それに加えて、アプリケーションの要件に合わせたチューニングも必要になる。

本書では、特定のRDBMS製品やアプリケーションに依存しない、汎用的なクエリチューニングのテクニックを、その前提となる基礎知識も含めて解説している。

SQLのチューニングはトレードオフが色々あるため、one-size-fits-allな解法はない。例えば、インデックスが使われていないSELECT文のチューニングではインデックスの活用が第一の選択肢に挙がるが、選択率次第ではフルスキャンの方が速いし、更新性能の劣化も考慮する必要がある。

このように、本書に登場する様々なテクニックは、それらが有効になる場面を見極めて活用しなければ効果は見込めない。

本書は、JOINのチューニングで困ったら6章を読む、といった風に辞書的に使うこともできるが、前章までの知識が前提となっていることもある。まず通読しておいて、後で必要に応じて読み返す、という使い方が良さそう。

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