『人月の神話』は、ブルックスの法則「遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加は、プロジェクトをさらに遅らせるだけである」の提唱者のエッセイ集。
「『人月の神話』を読んでないプロマネはモグり」といわれることもあるくらい、定番の書籍。
しかし、本書の議論の多くは、著者がIBMでOS/360というメインフレームコンピュータ向けのOSを開発した際の経験に基づいている。
要するに、1960年代のソフトウェア開発に関する議論をしているので、今から見直すと、ディテールが古いとかそういうレベルではなく、古文書の域に達している。
現代でも通用する普遍的な部分ももちろんあるのだけど、プロジェクトマネジメント最初の1冊として本書を読むことは全くオススメできない。
ある程度経験を積んできて、そろそろ古典でも読んでおくか、というタイミングで読むなら、楽しめるかも。
現代のプロジェクトマネジメントの本としては、『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』とか、古典だけど改訂が繰り返されている『ピープルウェア』とかが良いのではと思った。